文化存亡の機と捉えての取り組み
佐野市文化協会
会長 青木 勇
令和2年度は新型コロナウイルス感染症が瞬く間に世界中に拡散して、東京オリンピツクは延期、学校も休校となるなどこれまで想像も出来なかった世の中になってしまいました。私たちの生活も3密(密閉・密室・密接)を避け常時マスクの着用、手指のアルコール消毒や検温などこれまでの暮らし方を変えることが求められています。文化協会の活動も当たり前にできていたことができなくなってしまいました。
文化協会では例年、文化施設を会場として22部門が発表会・作品展を開催しておりましたが多くの部門で中止や延期、あるいは縮小しての開催を余儀なくされました。
しかし、発表会が中止されるなか、佐野ケーブルテレビ株式会社の全面的な協力により無観客での開催を録画して頂き、邦楽や演劇また茶道部門で放映できたことは幸いです。このあとも吟詠剣詩舞や洋舞の録画を予定しておりましたが、再び緊急事態宣言が発令され止む無く延期したところです。
新型コロナウイルスによって芸術文化は極めて大きな打撃を受けました。これまでのスタイルを変えることが求められています。今できること、これからやれる方法を模索し、前に進むしかありません。芸術文化は日頃の鍛錬があってこそ芸の完成に至ります。練習も公演もできない中では芸のレベルを維持することは非常に厳しい。
しかし芸術文化は特別なものではなく、すべての人の心を潤し人と人との心を結んでいく、癒しと安らぎをもたらすものです。
「コロナ禍であっても芸術文化は守る。芸術文化の灯が消えることの無いように」をモツトーに佐野市文化協会も文化環境の変化を新たな文化事業の展開に繋げるべく検討を進め、地域社会とともに文化の発展に努めてまいります。
令和3年4月1日